内野労務管理事務所からのお知らせ

労務トピックス(5月)

新しい出入国管理及び難民認定法(入管法)の施行について

平成31年4月から「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が施行され、新しい出入国管理及び難民認定法(入管法)の適用が開始となりました。

少子高齢化により深刻化している人手不足に対応するため、新在留資格「特定技能」の運用が始まり、従来であれば在留資格が認められていなかった業種においても外国人を雇用することが可能となりました。

従来から運用されている在留資格「技能実習」においては、外国人の雇用の目的を「国際協力の推進」とし、外国人技能実習生の雇用が「労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」と規定されているのに対し、新設の「特定技能」では、一定の専門性と技能を有した外国人材を企業の即戦力として受け入れることを目的としている点で、大きく異なる趣旨の制度といえます。

以前から存在する、就労を本来の目的とする在留資格は全体の2割以下に過ぎない上、専門的・技術的分野の職種に限定されているため、現在最も人材の不足が深刻な介護、宿泊、外食といった分野の労働力の補強としては活用しにくい状況でした。

そういった問題を解決すべく設けられたのが、今回新設された在留資格「特定技能」です。

人手不足の解消のために外国人を雇用する企業の数は年々増加しており、今まで国内の人材だけで運営してきた企業も、今後は外国人材の起用を検討すべき状況が増える見込みです。

労働基準法を中心とする労働関係法令においては、企業(使用者)に課される義務は労働者の国籍や人種、宗教を問わず一律に定められていますが、「特定技能」の在留資格を持つ外国人労働者を雇用する場合には、報酬額が日本人と同等以上であることや、転職が可能(「技能実習」では不可」)、直接雇用が原則、外国人が帰国旅費を負担できない場合は、受け入れ先が負担、等の要件があり、運用には注意が必要です。

また、その方が日本での職業生活を安定的かつ円滑に送ることができるよう、住宅の確保、生活オリエンテーション、日本語習得支援、外国人の相談・苦情への対応、行政手続きの情報提供等の支援を行う必要がありますが、これらの支援のすべてを受入企業で行うことが困難な場合もあるため、新制度で設けられた「登録支援機関」に委託することが可能です。

経済のグローバル化が急速に進行する現在、国籍、人種、宗教を問わず優秀な人材の争奪戦が始まる上、労働力人口の確保という日本独自の課題もある中、今回の入管法の改正は企業の今後に大きく影響を与える内容となります。

今後、外国人を雇用することが日本人を雇用するのと同じくらいに当たり前の世の中になる可能性もあります。日本人も外国人も働きやすい環境を長期的に構築していけるよう、外国人になじみのない企業担当者の方であっても、まずは関係法令についてのおおまかな知識を持っておくことから初めてみてはいかがでしょうか。