内野労務管理事務所からのお知らせ

労務トピックス(7月)

HRテクノロジーについて

HRテクノロジーという言葉をご存じでしょうか?
HRとは、「Human Resource」の略語で、「人的資源」や「人材」という意味です。
昨今、このHRテクノロジーという言葉は、特にIT技術の関連用語として普及しており、より具体的には、「人事労務管理業務を効率的するクラウド型のITサービス」と解釈されることが多いようです。

「クラウド型」というのは、「インターネット上で機能するタイプの」という意味です。ソフトウェアを自社の個々のパソコンにインストールしたりデータの保存を行ったりする必要がなく、代わりにサービスを提供している会社の保有するサーバーにインターネットを通じてアクセスすることにより、ソフトウェアやデータベースをオンラインで利用できます。そして、その分自社でそれらのソフトの購入や管理を行うコストや手間が省ける、というものです。

現在の日本は、少子高齢化が進み、働き手の減少が明らかな時代であることから、限られた数の人材で多くの仕事をこなさなればならなりません。共働き世帯の増加にともない、家庭における夫婦の役割分担も旧来のような分業制をとることが実質的に難しくなっています。労使間の協力のもと、残業時間の削減に取り組むことによって残業時間を少しでも減らし、ライフワークバランスの好循環を生み出す試みが日々行われる中、HRテクノロジーへの期待値は年々高まりを見せています。

しかしながら、大小問わず、多くの企業にとっては「今まで自社が投資したことのない分野であり、期待通りの効果が得られるのかも分からないので、リスクが大きく感じられる」といった声や、「クラウド型サービスは自社の外に重要な情報を保管することになるので、セキュリティ面が心配だ」という声も多くあり、費用対効果のバランスや安全性の改善がまだ充分と感じられないこと等が、多くの企業が導入に消極的にならざるを得ない要因となっているのも事実で、今はちょうど人からテクノロジーへの仕事の受け渡しの過渡期にあるといえそうです。

ここ10年ほどの間にクラウド型サービスの市場は急成長を遂げ、日々新しいサービスが多くの会社からリリースされており、それに呼応してコスト面の改善も進んでいるようです。時間をかけて各社のサービスを比較することで、自社の実情に合ったサービスの価格相場なども見えてくるかもしれません。

また、情報セキュリティ面においては、サイバーセキュリティを強みとするサービス提供会社も増えてきており、自社のサーバーを自社のセキュリティで管理していた時よりも却ってセキュリティが強化された、という例もあるようです。

現在は未導入の企業でも、導入の検討段階に入っている企業は多くあると考えられ、HRテクノロジーに関する状況の変化は今後より活発化していくことが予想されます。AIやIT技術の発達にともない、「テクノロジーは人の仕事を奪う」という心配も多く聞かれますが、テクノロジーで代替できる仕事はそれらに任せ、ヒトでしかできない付加価値の高い業務に集中させてくれる手段、と捉えることもできると思います。

今行っている業務を、より簡単に、より安価に、より短い時間で、且つより安全に行う方法はないか?

ふとそう考えたときに、解決策として今後しばらく選択肢となり得るもの、それがHRテクノロジーであるといえると思います。